SEAnews 1996-06-05 ArtNo.6313

【クアラルンプル】国産車プロトンのマネージング・ディレクターを5月1日付けで辞任したダト・モハド・ナズミ・モハド・サーレー氏は4年前に設立した通信事業会社Folec Comunications (M) Sdn Bhdの持ち株を30％から60％に拡大するとともに、3日付けで社名をTrisilco Folec Sdn Bhdに変更、本腰を入れて新事業に乗り出した。
ナズミ氏がこの日記者会見し、語ったところによると、2年前に法人化されたTrisilco(払込資本M$400万)に同氏は一族会社Trisilco Folec Communications (Singapore) Pte Ltdを通じて60％出資、シンガポールのケッペル・グループとピーター・ユー取締役が30％と10％を出資している。Trisilcoはインフラストラクチャー・システム、ビジネスコミュニケーション(PABX/ﾋﾞﾃﾞｵ･ｺﾝﾌｧﾗﾝｼﾝｸﾞ･ｼｽﾃﾑ/OAｼｽﾃﾑ)、エンジニアリング等に関わる電気通信サービスを提供しており、手持ちのインフラ関連契約だけで1億Ｍドルにのぼる。年商は昨年の7000万Ｍドルから今年は1億Ｍドルに達する見通しだ。当初払込資本は10万Ｍドル、売上は1800万Ｍドルだったことから、営業額は過去4年間に数倍に拡大したことになる。海外事業収入は目下全体の10％に過ぎないが、中国、スリランカ、ブルネイにおけるサービスの提供が予定されている。また機材供給、エンジニアリング、支援サービス領域における地歩が固まったことからリテール市場への進出も準備、当面クラン・バリーに2店舗、ジョホールとペナンに各1店舗を設ける計画だ。リテール事業の詳細は未定だが、米国のシャーパー・イメージのような創意性に富んだ商品の販売を手掛ける計画と言う。
最近レン・ブラザーズ・ラバー・プロダクツ・インダストリーズBhdの会長にも就任したナズミ氏はTrisilco Folec Communications (Singapore) Pte Ltdを通じて他の領域への投資も計画しており、香港ベースのプラザ・ビジネス・センターにおけるオフィス・スペースやセクラタリー・サービスの提供も手掛けている。しかしナズミ氏は噂される韓国のサムソンと組んだ自動車事業への再進出についてはコメントを避けた。ちなみに同氏は依然としてプロトン社の取締役にとどまっている。(NST,STAR:6/4)