SEAnews 1995-02-27 ArtNo.670

【クアラルンプル】ビナリアンSdn BhdはＵＳウェスト・インクと提携し、向こう3年間に35億Ｍドルを投じてマレーシアに総合的な通信網を構築する。
同合弁事業に20％出資するＵＳウェストのリチャード・マコーミック会長によると、パートナーのビナリアン社はマレーシアの最初の通信衛星ミーサット1及びミーサット2の打ち上げと経営権を認められている。最初の衛星は今年12月に2番目は来年7月に打ち上げられ、オストラリア、東南アジア、インド亞大陸をカバーする通信サービスを提供する。移動体電話網／通常電話網／国際ゲートウェイ・サービス／エンドユーザー向けマルチメディア・ネットワーク等の経営も認められたビナリアン社は、マハティール首相と密接な関係を有するアナンダ・クリシュナ氏により昨年創設された。クリシュナ氏の名は70年代に国営石油会社の創設に関与したマネージメント会社アナンダ・クリシュナにより人々に知られるようになった。同氏はゲーム会社タンジョンPlcの主要株主でもある。ビナリアン社はマルチメディア・ネットワークの構築をプロジェクト・ベースで進める方針で、クアラルンプル・シティー・センターが最初のプロジェクトとなる。タイム・ワーナーともタイアップしたＵＳウェストとの合弁によりビナリアン社はマルチメディア・エンターテイメント・テクノロジーを手に入れることができる。ビナリアン社の営業額は2000年時には40億Ｍドルに達する見通しだが、アナリストは同社のこうした勃興を、良好な経歴を有するビジネスマンにパイオニア事業の特許権を与え、これを育成するマレーシア型殖産興業策の典型と評している。(ST:2/25)