1996-07-29 ArtNo.6998
◆<星>CMBアジア、上海/広州工場の閉鎖でS$1億抹消
【シンガポール】製缶会社カーノードメタルボックス(CMB)アジアは26日、上海及び広州における工場の閉鎖とシンガポールのウッドランズ工場の収用に伴う1億Sドルの抹消に、2000万Sドルの純損失も加え、今年12月期に1億2000万Sドルのボトムライン損失を計上することになると発表した。
フレーザー&ニーブ(F&N)の34%子会社CMBのナイジャル・ギルソン社長によると、同社はこの日の取締役会でこれ以上損失を拡大せぬため、上海/広州業務を停止する方針を決めた。来年状況が改善すると期待するのは非現実的で、いつか捲土重来を図るにしても、現時点の最善の方策は撤収することとの結論に達した。こうしたつらい決断を下す理由は経営の再建を望むからに他ならないが、先行き不透明な現状では、いつ黒字転換できるかを予告することはできない。以上の抹消と損失により今年12月末時点で4億4000万Sドルの株主基金と純有形資産(1株当たりS$5.5)の4分の1が失われる。また同社はCMBのマレーシア業務を約7000万Sドルで買収することを計画している。同取引はウッドランズ工場の設備と従業員50人の交換を通じて実行されると言う。
CMBの96年6月期半期業績は818万Sドルの純損失で、これは昨年同期の損失225万Sドルから一層拡大している。売上は横這いの1億2283万Sドル。同社は今年2月、半期ベースで1000万Sドル程度の損失を計上すると予告しており、エスティメート・ディレクトリーによれば、アナリストらも通年で1850万Sドルの純損失を出すものと予想していた。しかし同社は純負債はゼロ、現金準備は1億3500万Sドルと、財務状況は依然健全とし、2.5セントの半期配当を決定した。上海/広州の工場は売却する計画だが、妥当な価格が望めない際は、そのまま保有し、売り急ぎしない。上海/広州事業の失敗の主因は性急に大型投資を行ったことで、再度進出する際は、顧客との関係を築きながら小規模な投資を行う。また北京の製造業務は好調と言う。(ST,BT,LZ:7/27)
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