SEAnews 1996-10-21 ArtNo.8069

【シンガポール】シンガポール・リバー河畔のクラーク・キーに設けられたリテール・フード・エンターテーメント・コンプレックスは、シンガポール初のバリュー・リテール・センターに変身、名称も“クラークキー・ファクトリー・ストアー”と改め、来年新装オープンする。
ＤＢＳランド傘下クラーク・キー・コンプレックスのロイ・ヒグ重役(GM)によると、新コンセプトに相応しくない既存テナントはリース期限が切れるのに伴い退去することになる。同社は目下新コンセプトに相応しい製造業者、卸売業者、並行輸入業者をスカウトするため香港にまで赴いている。5万平方フィートのクラーク・キー・ファクトリー・ストアーの改装工事は今月初めからスタートしたが、既に新コンセプト下の最初のテナント、Ｂ＆Ｎコレクションが18日から営業を開始している。平行輸入業者のＢ＆Ｎの1万4000平方フィートの店舗にはブランド・カジュアル衣料／ハンドバッグ／ネクタイ／ホーム・アクセサリー等が陳列され、価格も通常の30～70％安。Ｂ＆Ｎは別に2000平方フィートの化粧品／香水専門店も設ける。クラーク・キーは1993年11月にオープンして以来、不振な小売り市況を反映して一階の平方フィート当たり賃貸料は当初の16－20Ｓドルから12－16Ｓドルに、二階は8－10Ｓドルから6－8Ｓドルに値下げされている。バリュー・リテーリングは欧米では既に強力なプレゼンスを確立しているが、アジアに紹介されたのはつい最近のこと。業界観測筋は「問題はオーチャード・ロードにあまりにも近いことで、フルプライスのストアーをオーチャード・ロードに展開するハイエンド・ブランド店が、クラーク・キーに25－70％の安売り店を設けるとは考えられない」と指摘する。(ST:10/19)