SEAnews 1997-01-11 ArtNo.8994

【バンコク】不動産市況の低迷に伴う貸付の焦げ付きで金融恐慌が生じることを恐れるチャワリット政権は700億バーツ(S$38億)の救済資金の注入を通じた市況刺激措置に着手した。
タイ中央銀行のRerngchai Marakanonda総裁が9日、テレビ・インタビューに応えたところによれば、ガバメント・ハウジング・バンク(GHB)とガバメント・セービングズ・バンク(GSB)は公務員に200億バーツの低利住宅購入ローンを提供する。ＧＨＢの公務員住宅ローンの上限はこれまで60億バーツだったが、政府は同行にスキームの拡大を求め、ＧＳＢバンクもこれに加わった。同ローンの金利は9％で、12％の市場金利を下回るが、初めて住宅を購入する公務員のみが対象とされる。
国内金融業界は不動産業界に対して7000億バーツの債権を抱えており、内2000億～3000億バーツは銀行により、残りは金融会社により貸し付けられている。政府はまた商業銀行に500億バーツの基金を設け、財政難の不動産会社を救済するよう指示した。近く同基金を管理する民間企業が設立されると言う。(ST:1/10)