SEAnews 1997-01-21 ArtNo.9110

【クアラルンプル】トップ管理職の辞職や通信事業市場の競争過熱から一時は「マスト・ハブ・ストック」ともてはやされたテクノロジー・リソーシズ・インダストリーズBhd(TRI)に対する投資家の関心が急速に冷却している。
先週金曜のＴＲＩ株価は、往事の9.45Ｍドルのほとんど半値の5.35Ｍドルで引けたが、外国証券会社のアナリストは「譬え5Ｍドルでも売りを勧める」と辛辣だ。ＴＲＩ株は昨年12月17日には過去1年来最低の4.50Ｍドルまで下降した。アナリストやファンド・マネージャーらのＴＲＩに対する悲観的見通しは、ＴＲＩの完全出資子会社セルコムのロスリ・マン社長が昨年8月に辞職した時に端を発している。マレーシア最大移動電話会社セルコムは、アナログのＡＲＴ900、デジタルのセルコムＧＳＭサービスを手がけているが、ファンド・マネージャー、コマースＭＧＩのアナリストによれば、セルコムはライバルとの競争に対応できず、そのシェアを縮小させたと言う。マレーシアでは7社が移動電話サービスを提供しており、セルコムにとって最大のライバルのビナリアンはマクシス・デジタル・システムのサービスを開始以来、僅か1年で10万人以上の契約者を獲得した。しかしモハイヤニ証券の幹部は、過去6ヶ月間に複数のキー・スタッフを失ったが、ＴＲＩは依然として優秀なマネージメント・チームを確保していると指摘した。(ST,BT:1/20)