SEAnews 1997-03-08 ArtNo.9663

【シンガポール】シンガポールの小売り／ホテル業界は予想される日本人旅行者の成長鈍化で打撃を受けそうだ。
ＪＴＢによれば、今年の日本人海外旅行者は1750万人と、昨年比5％以下の成長にとどまる見通しだが、こうした低調な伸びは、昨年日本人旅行者から30億Ｓドルを稼いだシンガポールのホテル、小売り、飲食店に深刻な影響を及ぼしそうだ。
ＡＳＥＡＮセンターのカリド・イブラヒム観光部長は、5回以上の海外旅行経験者が全体の36％を占める日本人旅行者を誘致するには、ツーリズム・プロダクツをパッケージにして再訪の魅力を高める必要があると指摘する。昨年日本人旅行者は既に0.6％のマイナス成長を記録しており、こうした下降傾向を阻止し、上昇基調を回復するには、修学旅行(成長率60-70%)等の新たな成長領域に照準を合わせたツアー・パッケージの内容の変更も必要とされる。
1993年以来円の対Ｓドル相場が13％軟化したことも、シンガポールにおけるショッピングの魅力を失わせている。日本観光業界のエキスパートは、近代化され、アジアと言うよりは米国に近いシンガポールは今や旅行地としての転換期を迎えている指摘する。(BT:3/7)