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2018-07-02 ArtNo.46283
◆ランケシュ記者殺害事件特捜班、K州政府に殺害予告リスト4人の警備強化求める




【ニューデリー】ガウリ・ランケシュ記者殺害事件の調査を担当する『特殊事件捜査班(SIT:Special Investigation Team)』は、右翼ヒンドゥー教徒による脅迫事件が頻発する中、6月18日、カルナタカ州政府に4人の著名人-作家で俳優のギリーシュ・カルナド氏、合理主義論客KSバガワン氏及びナレンドラ・ナイク氏、ベアーラブハドラ・チャンナマラ・スワーミージ(Veerabhadra Channamalla Swamiji)教のニドマミディ・ムット師-の警備を強化するよう州政府に求めた。
 SITは、これまでにガウリ・ランケシュ記者殺害事件の実行犯(銃撃犯)と見られる男を含む6人を検挙している。SIT筋は、「我々は実行犯のパラシュラム・ワグモアをガウリ記者宅へ送り届けたバイクの運転手に関して捜査するとともに、殺害計画を立案した首謀者及びワグモアに武器を提供した者の特定を試みている」と語った。「ワグモアは繰り返し9月5日夜にガウリ記者宅に彼を送り届けた運転手の名は知らないとするとともに、『皆がその男をダダと呼んでいた』と述べている」と、同筋はPTI通信に語った。
 国民会議派は、この日、ガウリ・ランケシュ記者殺害事件に触れ、シュリ・ラム・セナ(Sri Ram Sene: The Army of Lord Rama)のプラモッド・マザリク党首が、「カルナタカ州で犬が一匹死ぬたびに、ナレンドラ・モディ首相は応対するだろうか」と述べたことを激しく非難した。マザリク党首は前日、バンガロールにおける公衆との座談会の席上、以上の発言をした。
 マザリク党首は、同集会の席上、合理主義者ナレンドラ・ダブホルカー氏、左派指導者ガバインド・パンセア氏、カンナダ語作家M.M.カルブラギ氏、そしてランケシュ記者の殺害事件に触れ、「皆がヒンドゥー教徒グループがガウリ・ランケシュ殺害の陰謀を企てたと言うが、国民会議派政権時代だってマハラシュトラ州で二件、カルナタカ州で別に二件暗殺事件が発生しただろう」と語った。

○ジャーナリスト団体、ブハリ記者暗殺事件の説明責任追及




【ニューデリー】ジャーナリスト各団体は6月18日、『ライジング・カシミール』紙のシュジャアート・ブハリ編集長(49)の死を悼み、当地で追悼式兼連帯会議を開催、「ブハリ編集長暗殺事件は各方面の説明責任を求めている」との声明を発表した。
 11のメディア組織は、共同声明の中で、ジャンム&カシミール州政府に対し、早期に凶悪犯罪の加害者を公判廷に引き出すよう要求した。インド記者クラブ、インド女性記者団、記者協会、編集者組合、南アジア自由メディア聯合(SAFMA)、メディア産業南アジア女性組織、インド・ジャーナリスト聯合、外国特派員クラブ、ジャーナリスト全国聯合、ニュース・カメラマン協会、全インド・ウルドゥー語編集長会議が共同発表した声明文は「この国の全ての人が言論と表現の自由に対する主権を保持しており、こうした自由に対する不寛容の高まりは、民主主義の本質を根底から覆す危険性を内包している」と警鐘している。
 ブハリ氏は6月14日、スリナガルの事務所の外で武装勢力に射殺され、二人の警備員も殺害された。声明文は、「我々は政府にシュジャアート氏に対する悪意あるキャンペーンを開始した人々に対し、別途調査することを求める。連邦政府内務省のサイバー・セルは、悪質なキャンペーンがなされた場所に関する全てのIPアドレスやソースを調る必要がある」と述べている。
 シニア・ジャーナリストのシッダース・バラダラヤン氏は、「ブハリ氏は1990年以来、カシミールで暴力により命を奪われた19人目の犠牲者で、率直に話す勇気があり、彼の新聞はカシミール政府が望むことを掲載しなかった」と語った。また、バラダラヤン氏は、ブハリ氏が暗殺されるずっと以前に、彼のことを「プロ・テロリスト、プロ・パキスタニのソフト分離主義者」と語っていた。

○生命の根源を尋ねる旅(ブハリ記者追悼コラム)




【ニューデリー】ピアーザーダ・アシク記者は2018年6月17日、『ストップ・プレス? ナット・アット・ライジング・カシミール』と題するリードストーリーにおいて、献身的で挑戦的なジャーナリスト・チームが、編集長暗殺の数時間後、如何にして『ライジング・カシミール』紙を発行したかを報告している。
 ブハリ記者を追悼する琴線に触れる同記事は、「あなたはあまりにも突然、我々の視界から去ってしまったが、そのプロフェッショナルな確信と模範的な勇気をもって、常に我々を導く光になるだろう。我々はあなたを我々から奪った臆病者により怖じ気づかされることはない。我々は、どんなに不愉快なものにしろ真実を報道すると言うあなたのモットーを守り続ける。安らかに眠れ」と記している。
 ジャーナリズムは、果てしない生命の源を探る旅であり、暴力は決してその前進を阻むことはできない。『ライジング・カシミール』紙の記者達は、ブハリ殺害犯を喜ばせることがないよう、嗚咽と涙をこらえて編集作業を続けた。そこにはジャーナリズムの誇りがあるが、今日、ジャーナリストは安全ではあり得ない。『ジャーナリスト保護委員会(CPJ:Committee to Protect Journalists)』は、『危険な追跡(Dangerous pursuit)』と題する報告書において、2016年に「ジャーナリスト殺害に寛容なインドの文化は、メディアを脅迫や攻撃に対して脆弱にしている」と警鐘を鳴らしている。
 『国際メディア援助センター(CIMA:Centre for International Media Assistance)』の最近の報告も、『表現の自由に対する分散型攻撃(distributed attacks on freedom of expression)』と称する新たな検閲の潮流に警鐘を鳴らしている。同調査を担当したダニエル・アルヌード氏によると、これらのオンライン攻撃は、前世代の国家機関によるブルート・フォース・アタック(総当たり攻撃)のたぐいよりも、狡猾で検出するのが困難な上、しばしば効果的と言う。それによると、往々にして、こうした攻撃の目的は、直接ユーザーやコンテンツあるいはテーマを妨害するのではなく、民主的談論を攻撃し、メディアや競合する政府、野党、市民社会などの信頼を貶めることを目指している。アルヌード氏は、分散型攻撃に夢中になっている人々の狙いが、メディアと市民社会にとってより危険で、制限された空間をもたらす分極化にあることを立証している。
 著者A.S. パニールセルバン氏は、ザ・ヒンドゥー紙の読者担当編集委員兼コラムニスト、アジア・ジャーナリズム学院チェンナイ校非常勤講師。

【ニュースソース】

Raise security for Girish Karnad, 3 others on hit list: SIT

Journalist organisations seek accountability over Shujaat Bukhari’s killing

A life-affirming journey

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