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『ユダヤ教の誕生と東方伝播(キリスト教の起源)』スライドショー第2話:単独者の福音

<スライドショー第2話:単独者の福音>

 二回目の伝道旅行の際、マケドニアのネアポリスに上陸したパウロは、アテネを経てアカイア州の州都コリントに至り、そこに長く滞在、ユダヤ人と異邦人に福音を伝えました。しかしパウロがコリントを去った後、コリントの教会は、パウロ派、アポロ派、ペテロ派、イエス派に分裂、様々な問題が生じました。パウロが三回目の伝道旅行で、エフェソスに滞在していた時、コリントの教会は、三人の代表を送り、パウロに指導を仰ぎました。
パウロはイザヤ書を引用し、「御霊のことは御霊によってのみ理解でき、人知の及ぶものではありません。しかしキリスト者は、御霊を通じすべてのことを明瞭に理解することができます」と述べ、『キリストの心』にたち返るよう説き聞かせました。
パウロは≪コリント信徒への第一の手紙≫の中で、次のように説いています。

御霊と御力
「兄弟たち、私があなたがたのところへ行ったとき、私は、利口そうな言葉や、賢そうな知恵をひけらかして、神のあかしを宣べ伝えることはしませんでした。なぜなら私は、あなたがたの間で、十字架につけられた方、イエス・キリストのこと以外は、何もかも忘れることに決めたからです。わたしのメッセージや教えは、賢しこそうで説得力のある言葉ではなく、御霊と御力の現われにほかなりませんでした。
賜物

私たちの語るのは、隠された奥義としての神の知恵であって、それは、神が、私たちの栄光のために、世界の始まる前から、あらかじめ定められたものです。神はこれを、御霊によって私たちに啓示されたのです。御霊はすべてのことを探り、神の深みにまで及ばれるからです。いったい、人の心のことは、その人のうちにある霊のほかに、だれが知っているでしょう。同じように、神のみこころのことは、神の御霊のほかにはだれも知りません。この賜物について話すには、人の知恵に教えられたことばを用いず、御霊に教えられたことばを用います。その御霊のことばをもって御霊のことを解くのです。

キリストの心
生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れません。それらは彼には愚かなことだからです。また、それを悟ることができません。なぜなら、御霊のことは御霊によってわきまえるものだからです。霊的なものは、すべてを評価することができますが、霊的なものは、他から評価されることはありません。いったい、『だれが主のみこころを知り、主を導くことができたでしょうか。(イザヤ40:13)』ところが、私たちには、キリストの心があるのです。」(コリント第一2:1-16)

唯佛与佛(ゆいぶつよぶつ)
『コリント信徒への第一の手紙』の以上の下りを目にした一部の日本人は『法華経方便品:唯仏与仏』の項を想起することでしょう。
「止みなん、舎利弗、復説くべからず。所以は何ん、仏の成就したまえる所は、第一希有難解の法なり。唯だ仏が仏に与えて乃能究尽(ないのうくじん)したまえり。」

グノーシス=般若波羅蜜
インド北部に到彼岸の知恵『般若波羅蜜』を標榜する大乗仏教運動が生じた西暦1世紀頃、時を同じくしてギリシアやローマには、グノーシス(主知主義)の潮流が勃興しました。イエスも、パウロも、そしてアポロも、ペテロも、グノーシスの潮流に触れ、異邦人ユダヤ教徒の教会運動に身を投じたものと見られます。かれらは皆グノーシスの思想基盤を共有していました。ですからイエスを全く知らないアポロがイエスの道を説き、生前のイエスから教えを受けたことのないパウロがキリスト教神学を樹立することができたのです。

『単独者』の福音
人類が犯したすべての罪を背負い贖罪の羊として十字架にかかることを決意したイエスの心に立ち返るなら、世界の始まる前から、あらかじめ定められた神の摂理が明瞭になり、パウロ派、アポロ派、ペテロ派、イエス派に分裂したコリント教会の抗争も克服できる、とパウロは説きました。
一方、≪トマス福音書≫のイエスは、弟子たちにイブが分離する以前の両性具有のアダム、すなわち『本来の自己』に立ち返り、『単独者』として自立するよう求めています。

南頓北漸
菩提達磨が中国に伝えた禅宗が五祖弘忍(601-675)の後継者問題を巡り頓悟を重んじる南宗禅と漸悟を重んじる北宗禅に分裂(南頓北漸)した際、五祖弘忍の衣鉢を奪い返すために江西省と広東省の省境に位置する大ゆ嶺まで六祖恵能を追いかけて来た明上座に対して、恵能は「善を思わず、悪を思わず、父母未生以前、正恁麼の時、那こかこれ、明上座本来の面目」と大喝しました。これを聞き全身に汗をかき大悟した明上座は、涙を流して礼拝すると、かさねて「今おっしゃった密語密意の外に、さらに意旨(いし)有りや」問いました。すると恵能禅師は、「私が説いたものは、密語でも密意でもない。回光返照して本来の面目を悟るなら、密は(私の言葉ではなく)あなた自身の足下にある」と答えられました(無門関第二十三則)。この後、中国禅宗は、南頓北漸二派のみならず、五家七宗が並び立ち、爆発的成長を遂げました。

エフライム族とマナセ族
大乗仏教は、インドにおけるグノーシス主義に外なりません。朝鮮半島や日本列島にも渡来したエフライム族とマナセ族が両潮流の融合を媒介しました。
エフライム族やマナセ族と共通の『Y染色体D2』遺伝子を保持する古モンゴロイド(Paleo-Mongoloid)集団は、アブラハムやモーセが誕生するはるか以前の1万6500年前に、サハリン経由で日本列島に渡来しました。
縄文時代後期乃至弥生時代初期にエフライム族が近畿地方に第一次ヤマト政権を樹立すると、古墳時代に入ってマナセ族の末裔が朝鮮半島経由で渡来し、北九州に神武王朝を建国しました。そして両者が合体した第二次ヤマト政権こそ日本皇室のルーツと見られます。

秦氏と景教の伝来
神武天皇から数えて第14代の仲哀天皇の第8年(西暦197年)に秦の始皇帝の3世(新撰姓氏録)の孫とされるキリスト教国弓月(ゆづき)の王功満(こうまん)が、来朝、第15代応神天皇の時代には、功満王の子が、1万8670人の民を率いて再度渡来して、集団で日本に帰化しました。これが景教と呼ばれるキリスト教徒の秦氏(はたし)が大挙日本に渡来した起源とされます。
室町初期に編纂された『本朝皇胤紹運録(ほんちょうこういんじょううんろく)』にると、第27代安閑天皇には、豊彦王(とよひこのみこ)と言う皇子がおりました。豊彦王は秦氏の長で聖徳太子の側近として活躍した秦河勝と同一人物とされています。だとすれば、安閑天皇の父親第26代継体天皇も秦氏一族であったことになり、継体天皇の直系の現皇室も秦の始皇帝、そしてマナセ族の末裔と言うことになりそうです。



『聖霊のバプテスマ』とは一体何か

ヨハネ福音書の弁証法に従うなら、
【テーゼ】 『人は、人の子の証しを受け入れ、聖霊のバプテスマを受けることにより永遠の命を得られる(ヨハネ5:24)』。
【アンチ・テーゼ】 しかし、『地上の人間は、決して天から来たものの証しを理解できない(ヨハネ3:32)』。
それでは、地上の人間はどうして永遠の命を得られるのか。
【ジン・テーゼ】 『地上の人間は始めに神と共にあった言葉(ヨハネ1:1)に立ち返り、神が全き真理であることを自ら覚知すればよい(ヨハネ3:33)』。
文益禅師は「お前は慧超だ」と答えることにより、慧超自身の内に秘められた『真の自己(声前の一句)』を突きき付けたのである。
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